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妊婦さん=幸せとは限らない

先日、助産師さん、看護師さん、産婦人科ドクターがメインの学会へ行って来ました。
マタニティケアをさせていただくうえで出来るだけ安心してもらえるように情報を収集をしようと
意気込んで参加しましたが、興味のあるテーマが多すぎて、会場をウロウロかなり歩いた気がします。

妊婦さんを施術するのは普段からいろいろな状況、リスクを考えて施術させていただいてますが、
やはりある程度の医学的知識が必要でまだまだ勉強不足を痛感しました。
ただ私のサロンでは施術時間の中でゆっくりお話しをする時間を取るようにしているので
体調だけでなく妊婦さんの心の変化や不安などもお聞きしています。
今回の学会でも妊婦さんの心のケアを取り上げるテーマがとても多く
心のケアの重要性、これは妊婦さんに限ったことではないけれどやはりどんな状態の時も心のケアは体調に影響大なんです。
昔と違ってたくさんの人が周りにいる状態で妊娠、出産をする方は少なく、妊娠中も1人で過ごす方が多く、日々感じる不安などを話すことが出来ない妊婦さんが多くなっていることもあり、メンタルケアが必要な状態になる方も当然増えていてけっこう深刻な事態になるという現実問題もあります。
携わる助産師さんも、看護師さんも気になりつつ忙しくて妊婦さんの声を聞けないジレンマを感じているようでした。
医学界では心の問題は専門家(精神科ドクター・臨床心理士など)が扱うものとしていますので、発表の中では鍼灸師は含まれていませんが、
重症になる前に、1人で抱えて辛くなる前にガス抜きの様な時間は鍼灸が向いているのではと話を聞きながら感じていました。
病院や、医療機関は忙しくゆっくり患者様の話を聞く事が難しく、患者様も遠慮してなかなか本心を伝えられないそんな状況の時は鍼灸院に来ていただくのも手ではないかと思います。

少し前にネットニュースでも流れていましたが、妊婦さんの死亡原因1位が「自殺」今回の学会でもこの話題は出ていてとてもショックでした。世間の人達の勝手なイメージ妊婦さん=幸せとは限らない。
妊婦さんにもいろいろな状況があるのです。一人の女性が自分と違う生命体を自分の中で育てるという未知の世界を全ての妊婦さんがスムーズに受け入れられるわけではなくて当たり前。そのような状況で心の変化や不安が生まれるのも当たり前のこと。
経済的に悩んでいる方に簡単に鍼灸を受けに来ませんか?とは言えませんが、妊婦さん健康管理に鍼灸はとても良い施術だと思います。
身体を温めてリラックスすることも可能。続けることで安産にもつながります。通えない方にもセルフ灸の指導で自宅でのケアも出来ます。

妊婦さんは妊娠してから出産、そして出産後も大きな変化と向き合います。そんな時に気持ちを話す場所があるだけで安心して過ごせるのではと今回の学会へ行って今まで以上に感じました。
妊婦さんの心のケアをする専門施設もまだまだ少なく全ての都道府県にあるわけではない様子。
そんな状況の中鍼灸院が少しでもお力になれたらと思った2日間でした。