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「美容鍼」が話題になっている今、私が「鍼灸師」を選択したのは。

2月は医療系国家資格の試験日が多い月です。
今まさに試験までの追い込みの時期に私が「鍼灸師」を選択した理由と流れを思い返してみようと思います。

私が鍼灸の専門学校に入学したのはなんと45歳
そろそろリタイアしたあとの生活を考え始める年齢での挑戦でした。

鍼灸師を選択した理由は

*東洋医学の心を大切にする考えに共感した
*民間資格では出来ない治療が出来る
*美容部員時代の経験を活かして美容にも使える
*つぼの効用をアロマに活かせる
*国家資格
*自分が初めて鍼を受けた時の感動
*アロマを施術している時に感じた物足りなさ、寄り添うには不足している知識を補うため

きっと他にもあったかもしれませんがメインはこんな気持ちで選択しました。
その頃の自分の考え方で「鍼灸師」がベストと思っての選択です。
この時点で今話題になっている「美容鍼灸」も経験済み (受けた時は自分が打つ人になるなんて考えてませんでした)

ここから学校を決めるにも悩みました。
地元にも学校はありましたがそれは選択肢にはなく
もっと「鍼灸」が生活に浸透している場所
もしくは人口の多い場所の中から学校説明を聞きに行き学校を決めました。
卒業した学校に決めたのは説明してくれた先生のはっきりしたデメリットの説明が決めてに。
入学してから思ったのは、説明してくれた先生が違う先生だったら他の学校へ行っていたかも・・

説明時点で先生から
「なぜ鍼灸師になりたいのですか?」
私は
「美容鍼灸がやりたいことと、自分の鍼灸体験から驚くような効果を他の人に知ってほしい」
と言うと、
「美容鍼灸がやりたくてだけなら続かないと思います」
「美容鍼灸師と言う資格はなく、あくまでも鍼灸師の基本からしっかり学ぶ場所です」
「考えているよりキツイですよ」
「続けられなくてやめていく人の理由1番は金銭面」 などなど
考えているより大変なんだと正直に現実を話してくれたのが決めてだったと思います。
きっと高校を卒業して直ぐに入学する人たちには違う説明なのでしょうが
社会人経験もあり、教員より年上の私には現実をしっかりと伝えてくれたことに感謝しています。

大人になってからの学校生活、勉強は本当に楽しかったです!
苦手な科目には確かに苦労しました、でも楽しかったです。
自分が生きている間に経験したことと授業の内容がリンクして「そういうことか!」と思った事もたくさん。
学生の時は資格が取れたら今までの資格をもっと活かせる。自分の足でしっかりと立てるかもと。
絶望的な経験後の私に光を少し見せてくれる時間でした。

楽しい楽しいと書くと簡単な資格と誤解されそうなので
私が楽しいと思ったのは自分が大人だったから、
後は恐ろしくハイレベルなクラスメートに恵まれたこと
生まれて初めて自分を大切に生きる事の大切さを教えてくれる人、考え方の癖を理解して接してくれる人に出会えた事
いろいろな理由があって良い経験が出来たのです。
働きながらの学生ですから、実際は楽なんて言えないような状況なんですよ。
追試にかかるお金がもったいないから必死で覚えるみたいな感じ(笑)

医療系国家資格を取れば仕事に困らない
そんなに世の中甘くはありません。
資格を活かせるのも才能があると思います。
特に美容に興味があり「美容鍼灸師になりたい」とか考えている人には
エステティシャンになるのとはわけが違うと言いたいです。
そもそも「美容鍼灸師」という資格はなく、「鍼灸師」で美容をメインにしているということです。
授業の内容もキラキラした内容では全くありません。
特に東洋医学の内容は好きな人には楽しくても苦手な人にとっては???だったりします。
卒業してから「鍼灸師」だけの資格で食べていくことの大変さを思い知ったので
これから資格を考えている人にはダブルライセンスをオススメします。
なので出来れば社会人経験もあり、あまり年齢がいかないうちに学校へ行くのがオススメかと
現実1つの資格もかなりの金額が必要です。そのお金の元を取るのも大変。
だからこそ甘い考えで行くのはオススメしません。お金がいっぱいあるならそんな心配は不要ですが。

私のコラムの中で何度も話していることで再度伝えたいことは
自己肯定感を持ちたくて資格を取っても自己肯定感は上がりにくいです。
だから、それを目標にして勉強するなら他の方法を考えて欲しいです。
できれば、自己肯定感を持てないことで苦しいという気持ちを理解してサポートしてくれる第3者に出会うことが
たくさんお金を使わずに自分を変えるきっかけになると思います。

とは言えこれから受験する皆さんには頑張って欲しいです。
いろいろな思いで過ごした3年の集大成ですから。